首・肩の症状
肩凝り(四十肩・五十肩)
四十肩・五十肩というのは、俗称で、正しくは肩関節周囲炎といいます。四十肩・五十肩と肩凝りは、どちらも同じ周辺に起こる症状ですが、肩凝りの多くが筋肉の血行不良によって引き起こされるものに対し、四十肩・五十肩は、肩の関節、関節周囲の靭帯・筋・腱・関節包などが、炎症や拘縮を起こすからとされています。
50代が最も多く、40代から60代に起こりやすいので四十肩・五十肩と呼ばれています。
▶︎ 肩凝り(四十肩・五十肩)の症状
症状の主な特徴として、「肩から腕にかけて痛む」「上下・水平の動きが制限される」などが挙げられます。
また、徐々に肩の動きが悪くなり、運動が制限され、少し動かすだけでズキンと痛んだり、痛みも頑固なものとなっていきます。
▶︎ 肩凝り(四十肩・五十肩)の原因
中高年に多く起こりますが、原因は明らかにされていません。
ただ最近では、パソコン作業によるデスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることが原因として挙げられます。また、加齢によって筋肉や周辺組織に炎症や衰えが起きることで腱板(けんばん)が傷んで変性することが大きな要因と考えられています。
その他には、肩が下がっていて筋肉が少ないなで肩、いつも背中が丸まった猫背の人や冷え症などの体質の人も要注意です。
頚椎椎間板ヘルニア
頸椎は首の部分にあり、頭を支える役割をもっています。
脊椎と脊椎の間には椎間板と呼ばれる組織があり緩衝剤の役割を果たしているのですが、この椎間板組織が壊れた状態が頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれています。
椎間板の組織が壊れてしまうと、脊椎の中心を通っている脊髄や神経根を圧迫してしまい、様々な症状が起こります。
椎間板は、体の中でも早く老化が始まるところです。年をとるとともに髄核中の水分が少なくなり、クッションとしての働きも衰えてきます。
老化した椎間板は線維輪に亀裂が入り、やがて何かの拍子に髄核が後方に飛び出してしまうことがあります。
▶︎ 頚椎椎間板ヘルニアの症状
痛みや痺れなどの症状は、肩から腕、手の先にかけて激痛が走ったり、身体が痺れたり、動かしにくくなったりします。
飛び出した髄核が、脊髄や神経根を圧迫するために症状が出ますが、どの神経を圧迫するかで、症状は異なります。
・神経根症状の場合
神経根が圧迫されると、肩から腕、手にかけて、激痛や痺れを感じることが多くなります。
・脊髄症状の場合
手や足の運動障害(歩きにくい、足がつっぱる)が出てきます。
また、箸を持つ、ボタンを掛けるなどの細かい動作が難しくなります。
圧迫がひどくなると、頻尿や残尿感、便秘などの症状も現れ、その他に神経のつながりから首から肩、背中にかけての凝りや不快感、後頭部の痛みなどを感じることもあります。
▶︎ 頚椎椎間板ヘルニアの原因
長い間座り続けたり、重い荷物を持ち上げようとしたり、ストレスがかかることが頚椎椎間板ヘルニアを引き起こします。
変形性頸椎症
姿勢が悪かったり、歳を取ったりすると、椎間板が変形したり骨が角張ってきます。
この変形部分や、とげのように尖ってきた骨によって、脊髄から枝分かれした神経根が圧迫され、痛みや痺れ、麻痺が出てくる症状のことを言います。
▶︎ 変形性頸椎症の症状
症状として、まず始めに首の後ろに痛みを感じる事が一般的です。
首の後ろに痛みが生じた後、上半身に痛みが生じます。また痛みと同時に、手や指の先に痺れが生じる事も多く、さらに進行が進むと、力が抜けて上手く動かせなくなることがあるます。
▶︎ 変形性頸椎症の原因
姿勢が悪かったり、加齢により、椎間板が変形し骨が角張ってくるのが原因です。
頚椎の年齢的な変化が中年以降急激に起り、その変化が強かったり、あるいは、頚椎の中を通る脊髄や神経根の通り道が生まれつき狭いなどの要因があります。
また、変形性頸椎症では特に首の後ろから発症することが多いと言われていて、テレビやパソコンなどのディスプレイを見る際、首を後ろにそらす癖がある場合に起こることが多いです。
ですから、普段の姿勢なども原因の一つです。