GASTROENTERITIS
胃腸炎
こんな症状はご相談ください
細菌性胃腸炎(夏に多い)
気温が高く食品が傷みやすい夏場に多く発生します。主な原因菌と特徴は以下のとおりです。
主な原因菌
- 腸炎ビブリオ:生の魚介類が原因。潜伏期間は6〜12時間。激しい下痢と腹痛が特徴です。
- サルモネラ:加熱不十分な鶏肉・卵から感染。潜伏期間は6〜48時間。下痢・発熱・嘔吐が主な症状です。
- カンピロバクター:鶏肉の不十分な加熱が主な原因。潜伏期間は2〜5日と比較的長く、発熱・腹痛・下痢が続きます。
- 腸管出血性大腸菌(O-157など):潜伏期間は3〜8日。血便をともなう重い腸炎を起こすことがあり、小児・高齢者は重症化リスクがあります。
- 黄色ブドウ球菌:手で調理した食品から。潜伏期間は1〜6時間と短く、急な嘔吐で発症することが多い疾患です。
治療
- 水分補給:経口補水液による水分と電解質の補給が基本です。脱水が強い場合は点滴を行います。
- 整腸剤:腸内環境を整え、回復を促進します。
- 抗菌薬:細菌性の場合、必要に応じて処方します。
ウイルス性胃腸炎(冬に多い)
ノロウイルスやロタウイルスが代表的です。嘔吐から始まり、その後下痢が続くパターンが多く見られます。感染力が非常に強く、家族内で広がりやすいのが特徴です。
主なウイルス
- ノロウイルス:潜伏期間は12〜48時間。11月〜3月に流行し、嘔吐と水様性の下痢が主な症状です。少量のウイルスでも感染が成立します。
- ロタウイルス:潜伏期間は1〜3日。乳幼児に多く、白色の水様便が特徴的です。脱水に注意が必要です。
- アデノウイルス:潜伏期間は3〜10日。比較的軽い下痢が長く続くことがあります。
治療
- 対症療法:ウイルス性胃腸炎に特効薬はないため、水分補給と安静が基本です。
- 制吐薬・整腸剤:嘔吐がつらい場合は制吐薬、下痢には整腸剤を処方します。
- 点滴:経口摂取が困難な場合は院内で点滴を行います。
感染予防と家庭でのケア
手洗い
トイレの後、食事の前、調理の前後に石けんで30秒以上洗いましょう。ノロウイルスにはアルコール消毒が効きにくいため、流水と石けんが最も有効です。
食品の加熱
肉類は中心部75度以上で1分以上加熱。二枚貝(カキなど)は85〜90度で90秒以上加熱してください。
経口補水液の作り方
自宅に経口補水液がない場合は、水1リットルに砂糖40g(大さじ4杯半)と食塩3g(小さじ半分)を溶かして代用できます。少量ずつ(スプーン1杯から)、こまめに飲んでください。一度に大量に飲むと嘔吐を誘発することがあります。
水分補給
経口補水液を少量ずつ頻回に摂取してください。一度に大量に飲むと嘔吐を誘発することがあります。
嘔吐物の処理
手袋・マスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウム(0.1%濃度)で消毒してください。
受診の目安
脱水の危険サイン
尿がほとんど出ない、口の中がカラカラに乾く、ぐったりして元気がない、めまいや立ちくらみがする――これらは脱水が進んでいるサインです。特に乳幼児や高齢者は重症化しやすいため、すぐに医療機関を受診してください。
以下のような症状がある方は、お早めにご相談ください。
- 水分がとれない、尿がほとんど出ない
- 血便がある
- 高熱が続く
- 乳幼児や高齢者で症状が激しい
- 下痢や嘔吐が3日以上続いている
当院では胃腸炎の診察・点滴による脱水補正に対応しています。つらい症状が続く場合は我慢せずにご来院ください。
よくあるご質問
市販の下痢止めを飲んでもいいですか?
細菌性胃腸炎の場合、下痢止めは細菌を体内にとどめてしまう可能性があるため自己判断での使用は避けてください。まずは水分補給を優先し、受診時に医師に相談してください。
ノロウイルスの検査はできますか?
成人の場合、ノロウイルスの迅速検査は保険適用外のため、症状と経過から臨床的に診断するのが一般的です。3歳未満の乳幼児と65歳以上の高齢者には保険適用で検査が可能です。
点滴はしてもらえますか?
脱水が強い場合や経口摂取が困難な場合は、院内で点滴による水分・電解質の補正を行います。
家族への感染を防ぐにはどうすればいいですか?
吐物や便の処理は手袋・マスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなどを薄めたもの)で消毒してください。ノロウイルスにはアルコール消毒が効きにくいため、流水と石けんでの手洗いが最も有効です。


